奈良の古びた和菓子屋『ことこと庵』を預かる
新米和菓子職人の紺野こんのあさひには「天敵」がいる。

それはこの店の店主兼和菓子作りの師匠の有楽ゆうらくというあやかしだ。
店を放ってほっつき歩くこの天敵はたまに帰ってくると、
弟子が必死で作った菓子を勝手に「面白い(が謎の)和菓子」に作り変えたりしては
自由気ままに過ごしている。

古より伝わる和菓子を愛する人と妖。
彼らはぶつかり合いながらも店を訪れる悩めるお客さんの心を優しくほどいていく。

しかし、そんな二人には
お互いが知らない、ある「秘密」があった。


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  • 紺野こんの あさひ

    ひよっこ和菓子職人。幼い頃に家族を亡くし、施設で育った。
    喧嘩っ早い印象を持たれがちだが、
    噛みつく相手は喧嘩を一方的に売ってくる相手と有楽限定。
    根はまじめで優しい。
    腐れ縁の妖から和菓子作りを教わり、
    立派な職人になるために日々奮闘している。

  • 有楽ゆうらく

    幼い頃から旭を知っている、謎の「妖怪」。
    妖怪なりに旭のことは気にかけているようだが、
    気にかけ方が独特すぎてもはや天敵と化している。
    和菓子屋「ことこと庵」の店主だが、
    しょっちゅうふらっと姿を消すため、
    旭からは「店を放ってほっつき歩く適当店主」だと思われている。

普段、「雪」の降らないことで知られる古都・奈良に、今年初の雪が舞った。
その理由は、もしかしたらこんなことにあったのかもしれなくて……!?

もし自分の「天敵」が風邪をひいたら、あなたならどうしますか?

書き下ろし番外編

『じんわり氷じることレアな雪』

作中にもたくさん登場しますが、
実は奈良にはおいしい和菓子がいっぱい!

奈良を愛する生粋の奈良県民・いのうええい先生による
素敵な和菓子探訪のご案内イラストが届きました!

もうこれは、奈良の和菓子を制覇するしかないかも!?

イラスト:いのうええい

  • 和菓子の繊細さ、金平糖の優しさ、りんご飴の甘酸っぱさ。
    全部を閉じ込めたような宝箱のような作品。
    不器用ながらも誰かを思う気持ちが溢れていて、伏線を回収しながらカラフルに色づくラストに甘く優しい気持ちで心が満たされました。
    春が待ち遠しくなる1冊でした。

    書店関係者

  • 和菓子の師匠である妖怪の有楽さんがポイッとつけたお店の名前「ことこと庵」。
    奈良の古都にもちなんでいるし、コトコトっという音が何かが始まるそわそわする期待感のある音なのでとてもいいな、と思います。
    有楽さんが旭くんの紺野という音から「コンちゃん」と呼ぶのも可愛らしくて愛情があって良いですね。
    和菓子は美味しいのはもちろんのことですが、四季を表して、食べる人の幸せの記憶を呼び出すようなものであることをちょっとスパルタに教える有楽さんに、負けてはならないと努力する旭くんとの師弟関係が微笑ましかったです。
    もう一度有楽さんと再会したときの金平糖と春の情景が心に沁みる景色でした。
    施設の子どもたち、友人、園長先生にお菓子を通して向ける旭くんの視線がとても優しくて、こんな旭くんのことこと庵はいいお店になっていくんだろうな、と思います。

    書店関係者

  • 奈良にある和菓子屋「ことこと庵」
    いつでも賑やかで、悩みを抱えた人がふと立ち寄る場所だ。
    旭は人間で、有楽は妖。旭はまだまだ修行中の身だ。
    有楽が和菓子に少しだけかける妖術によって、
    訪れた人には笑顔の花が咲いていく。

    旭は複雑な環境で育ち、子どもらしい感情を抑えて生きてきた。だからこそ優しいし、ありきたりな言葉を相手にかけたりしない。
    有楽はそんな旭に興味を持つ妖だ。

    遠慮なんて言葉が存在しない関係。思ったことを真っ直ぐ伝えられる二人。
    旭が子ども時代に得られなかった、100%以上の感情をぶつけられる関係なのだ。そんな旭と有楽の二人のやり取りがとても好きだ。

    「ことこと庵」にやってくる人も、和菓子を食べて子ども時代を思い出す。
    誰だって子ども時代はあった。だけど、いつの間にか大人のふりをして感情を抑え込んでしまう。だからこそ我慢せずに感情をぶつけ、落ち込んだ姿を見せ、甘えたりできる相手がいたら、どれほど心が軽くなるだろう。
    和菓子により奈良の四季を感じました。
    私も疲れたり、少しサボりたいなと思う日は五重塔の見える池のある場所をふらっと訪れることがあります。
    いつか「ことこと庵」に辿り着けたらいいなと思うだけで、
    ふふっと笑みがこぼれました。

    レビュアー

花も団子も 春呼ぶ和菓子と奈良の町

表紙
  • 著:いのうえ えい
  • 装画:うごんば
  • 発売日:2025年12月22日
  • 価格:781円(本体710円+税10%)

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